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西遊記 (平岩弓枝 著)

最近はよく和書を読んでいます
西遊記がちゃんと読んでみたくなりAmazonで探してみたところ、この平岩版がレビューで絶賛されていて、表紙の孫悟空もかわいいので読んでみることにしました。すると…

やばい…
悟空めっちゃかわいい…

昔暴れん坊だったということなので最初はもっとツンツンしているかとおもいきや言葉に心根の優しさが表れていてすぐに好きになってしまいました。
失敗や誤解を乗り越えて三蔵法師との絆を深めていくさまを見ていると思わず目頭が熱くなります。

悟空をはじめとする弟子達は過去に失敗をして不本意な暮らしをしており、三蔵法師の旅にお供することで名誉挽回のチャンスを与えられます。三蔵法師もたびたび口にするように「失敗は誰にでもある。大事なのはやり直すこと」というのはこの作品の大きなテーマのひとつであると思います。

八戒とか最初はホントにどうしようもない奴ですからね…(笑
でもそんな八戒も八戒らしさはちゃんと残したまましだいにいい奴になっていくんですよ…本当にいい味出してます。

読む前のイメージと一番違ったのは悟浄でしょうか…河童じゃないんですね。よく考えたら河童は日本の妖怪か…
お坊さんのような見た目のようです。でも顔が青黒いとあった気がするのでやっぱり人間の容姿とは違うんでしょうね。
喋りがなまっていて、性格も真面目で素朴な感じで好感を持ちました。

三蔵法師の優しさも随所に表れていて、皆に慕われるのも納得です。ちなみにこの方にも複雑な過去があるんです…。

キャラクターがこんなに魅力的なのは、原作がいいのはもちろんですが、作者の方・そしてイラストレーターの方の力量による部分も大きいと思います。平岩版を読んで本当に良かったと思います!

妖怪退治エピソードの数々もバリエーション豊かで面白かったです。とても気に入ったのでゆっくりじっくり読みたかったのですがあまりの面白さに一気に読んでしまいました。
挿絵もとても良く、ふんだんに入っているので、次の挿絵見たさでさらにページを繰る手が加速しました(笑

ラストも良く大満足な反面、しばらくこんな楽しい本に出会えることはないかもと思うと寂しい気もします。


西遊記ってキャラは知ってるけど何の為に旅してるんだっけ?そして旅の結末はどうなるんだろう?と不思議に思った方…ぜひ平岩弓枝版『西遊記』読んでみてはいかがでしょうか?



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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

超久々の更新です
村上春樹の新作読みましたよ~

全体的に言うと…まあまあという感じですかね…
私村上春樹の小説って好きなのと嫌いなのがけっこう別れます
特にすきなのは短編です
最初に読んだのは「神の子どもたちはみな踊る」だったような…
「カンガルー日和」で本格的にはまった気がします
長編は世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランドとダンス・ダンス・ダンスが好みです
デビュー作はストーリーはあまり印象に残らなかったけど文章が綺麗だなーと思った覚えがあります
代表作のノルウェイの森は苦手です…最初に読んでいたら他の本を読む気が起こらなかったかも^^;

今回の新作は最初「あーこれは苦手なほうの春樹かな?」という気がしてしばらく置いておいたんですが暇だったので読み続けていたら続き(というか理由)が気になってそのまま読んじゃいました

自分ちょっと春樹節に飽きてきてるのかなーと思うところもありました
会話がなぜか鼻についたり
あと ああまた主人公がこういう夢見るのか…みたいな笑
喋りに関しては英訳ならべつに何とも思わないだろうなと思いました

今回一番気に入ったのは嫉妬という感情についての描写ですね
歌詞などでもたまにありますが特に言葉に当てはめていなかった感情を誰かがぴたりと来る言葉で言い表してるのを聞くのは快感です

それにしても…また短編書いて欲しいなあ



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お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術 著・森下和也

睡眠のリズムが崩れがちで悩んでいた私。
睡眠に関する本を探していてなんとなくこの本を読んでみたのですが、大当たりでした。

著者の方が言われているとおり、世にあふれる安眠法は眠る前にやることが大半で、眠ろうとして布団の中に入っているときにどうすればよく眠れるのかといったことは意外と語られてこなかったように思います。

著者の方はご自身も昔不眠に悩まされていたそうです。
だからこそこの睡眠テクニックがあみだせたのですね。
不眠に悩んだことの無い人は無意識にできていることなので、どうしてもそういう人がアドバイスすると「眠る前に何をやるか」という方向になってしまうのでしょう。

部屋の明かりを変えたりアロマを焚いたりと、眠るためにいろいろ準備すると眠れなかったときにショックを受けてしまってさらに目がさえたり…ということもあるようです。
眠れなくて悩んでいる方はいろいろ買う前にまずこの本を読んでみてはいかがでしょうか。
サプリメントや漢方薬についての情報も載っているのでおすすめです。



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日出処の天子 感想

テレプシコーラが面白かったので山岸涼子さんの他の漫画も読みたいと思って探していたところ、この『日出処の天子』が山岸先生の作だったと知って速攻で読みました。
有名だからタイトルは知ってたんですが…。テレプシコーラを読んでなかったらこれを読むこともなかったかも??この漫画に出会えてほんとよかったです。

読むまで知らなかったのですがBLなんですね。
でも最近ありがちな、こんなシーン入れときゃ喜ぶだろう…みたいな媚び媚びBLではないところがいいです。

 天才で策略家で超人的な力を持っていて美少年でいつも汗一つかかないような、浮世離れした王子が人を愛するがゆえに心乱されてゆくさまがキュンときてしまいます。
澄ました余裕顔の陰で孤独や辛い思い出を抱えているところも…。

毛人も真面目で好青年でちょっとヘタレで最初のころはけっこう好きだったんですけどねぇ~。
後半の毛人が嫌いなわけではないけど、王子をもっと見てあげて欲しかった…。
というか布都姫があんまり好きになれなかったですね私は。泣いてばっかの印象で。全部周りがおぜん立てしている感じ。
でもすごく好感持てるキャラと毛人がくっついていたらラストの印象もまた変わってきたのかなと思うとこれも効果のうちなのかとも思ったり。。

このラスト…もうほんと喪失感が襲ってきますね。
最後のあたり、何度も読んでしまいました。
孤独に終わるというのはレビューで知っていたのですが、こんな形でとは思いませんでした。
たった一人で夢殿にいるシーンで終わっていたらここまで哀しくならなかったでしょう…。
すごく穏やかな顔をして少女と仲睦まじくしているけど、その実すごく孤独なんだよなと思うと泣けてきます。
もう王子を慰めに行ってさしあげたいぐらいだけど毛人じゃないとダメなのですよね。。。
孤高の王子がプライドを捨てて愛を求めたのは後にも先にも毛人だけ…。
はぁ、泣ける…。

ネットで感想いろいろ見ていたら、しばらく他の本読む気にならなかったみたいな声があったんですがすごい気持ちわかります。
寂しいけど、この漫画を読んだ時みたいな気持ちにさせてくれる漫画にはこの先出会えないだろうな~と思います。

余談ですが読んでいたら聖徳太子つながりでギャグマンガ日和の太子が思い浮かんでしまいました。
同じ元ネタでこうも違うものか…。キャラ付けって凄い。


459288051X 日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)
山岸 凉子
白泉社 1994-03

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『舞姫テレプシコーラ』第一部完読

 前々からよくタイトルを耳にするし、家にあるし、いつか読んでみようと思っていたけれど
絵がちょっと古そう?というので先のばしになっていたこのマンガ、
暇ができたので読んでみました。

読み始めてみると…なかなか絵が見やすい!
女性マンガ家は枠外でつっこみ入れる人たまにいるけど、これはちょっと作者がつっこみいれすぎじゃ?
と最初思いましたがまあ読んでいるうちになれました。
男の子のような転校生が出てきてから引き込まれ、ほぼ一気に最後まで読んでしまいました。

テンポがよくて続きが気になる展開です。
急展開にえええ?って必死でページを繰ってから戻って詳しく読んだことも数回…笑

それぞれ個性は違えど、好感がもてるキャラが多かったです。
六花ちゃんはちょっと気弱でいい子で、千花ちゃんは頑張り屋で、空美ちゃんは実力あるのに環境に難ありで、みんなの味がいい具合にまざってます。
普段強気系の女の子キャラはそんなに好きになることがない私でも、千花ちゃんのファンになってしまいました。
それが…まさかあんなことになるなんて…
こういうスポーツ系?のマンガにおいて、千花ちゃんみたいなキャラは怪我しそうで怖いな~とは思ってたけど…
もうこの気持ちのやり場が見当たらない(ρ_;)
マンガのキャラのことでこんなに心を動かされるなんて、めったにないです。

バレエやってる子の努力や苦悩っていうのがリアルでした。
まだ子どもなのに、あんなに自分に厳しくして、時には体を壊してしまったり…。

なんだか最近すごく自分に甘くなっていたなというのを感じさせられました。
一応自分なりに続けていることはあるけど、なんだかそれもどんどん自分の楽なやり方でしかやらなくなっていたような。
決まりをつくりすぎて嫌になったら本末転倒だからと思って「楽しむ」ことを第一にやってきたけど、時には自分に厳しくしないとつかめないものがあるんだと思い知らされました。
誰かに言われるんじゃなくて、マンガだからこそ素直にこういう風に思えたんだと思います。

488991787X 舞姫(テレプシコーラ) 1 (MFコミックス ダ・ヴィンチシリーズ)
山岸 凉子
メディアファクトリー 2001-06

by G-Tools



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