フィギュア全日本&締め切りまでもう少し 初の翻訳仕事の締め切りが近くなってきました。 そんなに長い本ではないですが、やはり一冊訳すっていうのは大変なことですね。 でもこれをやり切ったらいい経験になると思います。 でもギャラをもらえるのは当分先のようで…新キンドルはしばらくおあずけです。 フィギュア全日本見ました。 やはり羽生君は別格の模様。 ノーミスが見てみたいですが鬼構成すぎて無理なんでしょうかね。 キスクラでの仕草が女の子のようでかわいらしかったです。 で、試合後の記事にあった羽生くんのコメントが、テイラースウィフトのアルバムのブックレットの序文の一部と同じようなことを言っていて印象的だったので、引用します。 羽生:壁の先には壁しかない。人間というのはそういうもの。課題を克服しても、人間は欲深いからまた超えようと思う。 Taylor:We are never out of the woods, because we are always going to be fighting for something. これ、似てません?? でも本当にそうですよね。私も文芸翻訳の仕事もらえるだけで数年前から思えば夢のようなのに、今は次の仕事がほしいとか違うジャンルもやりたいとか欲が出てきてますよ…。 実際にやってみてから生まれる心配ごともありますし。 でもとりあえず目の前のことを頑張ろうと思います。 PR
"Tell the Wolves I'm Home" by Carol Rifka Brunt この本を読んでいない人は今すぐ読みましょう! と言いたいぐらい良かったです。 最初の部分だけでもまずAmazonで読んでみてください。 あらすじ: Juneは14歳の女の子。誰にも言えないが叔父さんのFinnに恋心を抱いていた。Finnはエイズ患者で、Juneとその姉Gretaのポートレイトを描いた後にこの世を去ってしまう。Finnの葬式会場には、見知らぬ一人の男性が来ていた。招かれざる客のようだが、彼はいったい何者なのか… 舞台は1980年代のアメリカです。 文章がとてもいいです。比喩も上手いし情景が目に浮かびます。 Finnも最初の方で亡くなってしまいますがとても魅力的な人物に描かれているし、Juneの不器用な感じにも親近感を覚えてしまって、物語に入り込むことができました。 JuneのFinnへの愛の物語であると同時にJuneとGretaの姉妹愛の物語でもあります。 誰かを愛すると嫉妬を覚えることがありますが、これはそんな嫉妬の物語でもあります。 この話の一番重要な小道具はFinnの描いたポートレイトですが、物語の最後の最後にそのポートレイトがどうなったか…ここがとても美しいと思いました。 14歳の目線で描かれているので英語もそれほど難しくなく、読みやすかったです。 どうやら翻訳はまだ出ていない様子。 こういう小説を翻訳が出る前に原語で楽しめるということが、英語を勉強したり多読をやってきたことの最大のご褒美だと思います。
アルク翻訳大賞に応募しました アルクから出ている「翻訳事典」という雑誌の翻訳コンテストに応募しました 字幕・出版・実務部門がありますが出版と字幕に応募しました 本命は出版でかなり気合を入れてやりました! 課題も硬くなくて楽しい小説なので訳していて面白かったです やっぱり訳すならフィクションがやりたいなーと思います 会話文を訳すのが面白い! 文の内容は特にわからないところはなかったのと 時間をかけて納得いくまで推敲を重ねたのでちょっと自信はあるのですが その分これでだめだったらかなり自信を失いそうです せめて一次選考は通過していてほしい… あとアルクの映像翻訳コンテストにも応募しました これ訳す文が4つなので工夫しないと他の人と差をつけられないですね~ まあこちらはわりと気軽な感じで参加してみました しかし課題が短いわりに商品の金額は翻訳大賞より豪華…なぜ?笑
西遊記 (平岩弓枝 著) 最近はよく和書を読んでいます 西遊記がちゃんと読んでみたくなりAmazonで探してみたところ、この平岩版がレビューで絶賛されていて、表紙の孫悟空もかわいいので読んでみることにしました。すると… やばい… 悟空めっちゃかわいい… 昔暴れん坊だったということなので最初はもっとツンツンしているかとおもいきや言葉に心根の優しさが表れていてすぐに好きになってしまいました。 失敗や誤解を乗り越えて三蔵法師との絆を深めていくさまを見ていると思わず目頭が熱くなります。 悟空をはじめとする弟子達は過去に失敗をして不本意な暮らしをしており、三蔵法師の旅にお供することで名誉挽回のチャンスを与えられます。三蔵法師もたびたび口にするように「失敗は誰にでもある。大事なのはやり直すこと」というのはこの作品の大きなテーマのひとつであると思います。 八戒とか最初はホントにどうしようもない奴ですからね…(笑 でもそんな八戒も八戒らしさはちゃんと残したまましだいにいい奴になっていくんですよ…本当にいい味出してます。 読む前のイメージと一番違ったのは悟浄でしょうか…河童じゃないんですね。よく考えたら河童は日本の妖怪か… お坊さんのような見た目のようです。でも顔が青黒いとあった気がするのでやっぱり人間の容姿とは違うんでしょうね。 喋りがなまっていて、性格も真面目で素朴な感じで好感を持ちました。 三蔵法師の優しさも随所に表れていて、皆に慕われるのも納得です。ちなみにこの方にも複雑な過去があるんです…。 キャラクターがこんなに魅力的なのは、原作がいいのはもちろんですが、作者の方・そしてイラストレーターの方の力量による部分も大きいと思います。平岩版を読んで本当に良かったと思います! 妖怪退治エピソードの数々もバリエーション豊かで面白かったです。とても気に入ったのでゆっくりじっくり読みたかったのですがあまりの面白さに一気に読んでしまいました。 挿絵もとても良く、ふんだんに入っているので、次の挿絵見たさでさらにページを繰る手が加速しました(笑 ラストも良く大満足な反面、しばらくこんな楽しい本に出会えることはないかもと思うと寂しい気もします。 西遊記ってキャラは知ってるけど何の為に旅してるんだっけ?そして旅の結末はどうなるんだろう?と不思議に思った方…ぜひ平岩弓枝版『西遊記』読んでみてはいかがでしょうか?
Middlesex by Jeffrey Eugenides 難しそうだし長いので後回しにしていた本ですが、数年ぶりにチャレンジしたら完読することができました アメリカに渡ってきたギリシャ系一家の物語です ピュリッツァー賞受賞作だけあって当時の文化の勉強にもなります ミドルセックスとは地名ですが主人公が両性具有であることにもかかっていますね これだけ長い話を読みきれたのは筆者の文章力がすばらしいからだと思います あまりに生き生きと描かれているのでまさかこれ実話??と思ってしまいました(本当はフィクションです) 両性具有の主人公の話と聞いていつそれが発覚するのかハラハラしながら読んでいましたが…けっこう後の方でした でもそこまでに至る祖父母や両親の話もなぜ主人公が両性具有の体で生まれてきたのかに関わる大事な部分です とはいえ文章が良くなかったら途中で挫折していたかも^^; 主人公が両性具有だったとわかったら祖母のデズデモーナはどう反応するのかが気になっていましたが…あの展開は予想外でした 読後感は良かったです。 主人公がティーンエージャーになって女の子なのに背が高くなってきて…のあたりでイメージ映像が栗原類になりました(笑 日本人ですが中性的な感じがそれっぽいかなと。 何というか…「持っている」作家っていうのはちょっと読んだだけですぐわかりますね~ こういう作家の作品に出会えると読書好きで良かったと思えます とても良かったので同じ著者の作品"The Virgin Suicides"を読み始めました 設定が珍しくなかなか引き込まれます