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"Where the Mountain Meets the Moon" by Grace Lin

Amazon.comでの評価の高さに惹かれて読んでみたら、とてもいい本でした。
面白いし、教訓も得られるし、子どもむけの本として完璧だと思います。

<あらすじ>
Minliは貧しい家の一人娘。物語を聞かせてくれるやさしいお父さんと、生活苦から毎日ため息ばかりついているお母さんとともに、荒れ山と枯れかけた川の近くでくらしています。
村にやってきた金魚売りが売っていたのは幸運の金魚。両親の生活をよくしたいMinliはなけなしのお金でその金魚を買ってしまいます。
もちろんお母さんはそのことに大怒り。
Minliは金魚を手放すことにしますが、川に放そうとした金魚がなんと喋り出し、何でも知っているという月の老人のすみかに行く方法を教えてくれます。
Minliは、月の老人に一家の運を変える方法を教えてもらう旅に出ることにします…。

<感想>
話の中に登場人物が語る短い物語が頻繁に挟まれます。それらの話の中で語られることが伏線になっていることも多く、「おお~そういうことだったのか!」という感覚を何度も楽しめました。
ないものを嘆くのではなく持っているものを大事にする、感謝するということの大切さが改めてわかります。
しかし説教臭い感じはなく、物語として大人でも楽しめると思います。
表紙のニューベリー賞受賞のしるしは銀色ですが、これ大賞でも良かったんでないの?と個人的に思いました。おすすめです。

0316114278 Where the Mountain Meets the Moon
Grace Lin
Little, Brown Books for Young Readers 2009-07-01


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" Mao's Last Dancer " by Li Cunxin

 今回は波瀾万丈な人生を送っているバレエダンサーの自伝を読んでみました。
徳間文庫から『小さな村の小さなダンサー』という日本語訳が出ています。
単行本では『毛沢東のバレエダンサー』というタイトルだったようですが文庫化するにあたって映画版の邦題に合わせたものだと思われます。

<あらすじ>
毛沢東の政権下、リー・ツンシンは多くの兄弟とともに中国の貧しい村で暮らしていた。
ある日ツンシンの学校でバレエダンサーの選抜が行われ、貧しさから抜け出すチャンスを感じたツンシンは厳しい身体検査を忍耐力で乗り越える。
愛する家族の元から離れ北京でバレエを学ぶことになったツンシンは、信頼できる指導者と出会ってバレエの魅力に気づき、めきめきと頭角を現わしてゆく。
そんな彼に、アメリカで6週間バレエを学ぶチャンスが訪れた。
アメリカの空気を吸ったツンシンは中国で教えられてきたアメリカ像との違いに戸惑いながらも、その自由さに惹かれてゆく…。

0141320869 Mao's Last Dancer
Li Cunxin
Puffin 2006-07-06

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<感想>
自伝ですが、ほとんど小説のように楽しめました。
大躍進政策が原因で、多くの餓死者が出ていた時代。ツンシンの家族もとても貧しいのですが、お互いを思いやっていて思わず胸が温かくなります。
世界的なバレエダンサーになるくらいだからもう学校では最初からトップクラスだったのか?と思いきや、そうでもなかったようです。
しかし自分をしっかり見てくれるよい先生や、目標にできるプロのダンサーの存在、そしていくら働いても貧しさから抜け出すチャンスのない家族を救うには自分ががんばるしかないという思いに後押しされ、どんどん成長していきます。

やはり印象にのこったのは、他の人が休んでいるときにも必死で練習する姿や、道が閉ざされそうになっても必死で自分にできることを探す姿です。
あともうちょっと自分に甘くしていたり、しかたないと思ってあきらめていたら、開かれなかったであろう扉がいくつもあったのを感じました。

毛沢東政権下でどんな風に教育がされていたかも垣間見えます。
素晴らしい指導者なのだと叩き込まれると、本当に心から敬愛するようになっていくんだなぁ…というのが印象的でした。
なんだか1984のビッグブラザーを連想してしまいました。

最初の部分がちょっと長くて、はやくバレエがからんでこないかなと思ってしまいましたが、面白かったです。




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Matilda by Roald Dahl

世界中の子どもたちに人気の作家Roald Dahl。私も大好きです。
 Dahlは大人向けの本も子ども向けの本も書きましたが、子ども向けに書いた本のなかでもおすすめなのがこの”Matilda"です。

Matildaは天才少女で読書が大好き。
とてもいい子なのにマチルダの周りにはとんでもない大人がいっぱいです。
お母さんはマチルダをほったらかしてビンゴに行っちゃうし、お父さんは仕事で詐欺みたいなことをしているし、ザ・トランチブルというゴツイ女校長は子どもが大嫌いでだし…。
というかこのトランチブルの行動は、実際いたら逮捕されてるぐらいやばいです。笑
描写がコミカルなので笑えてしまうところではあるんですが。
たぶんこれが男だったらさすがにお話とはいえしゃれにならないから女キャラなんでしょうねぇ。
ダールの児童書を読んでいるとたまにここまで描いちゃって大丈夫かい?と思うところがありますが、そのへんの手加減をせずに面白さを追求してるところも人気のひとつだと思います。

で、マチルダがそんな大人たちに大小さまざまな仕返しをするんですが、
それが普通のしかえしじゃなくてアイデアあふれてておもしろいです。
後半は常人には真似できないすごいパワーまで使ってしまいますし…。

マチルダは天才だけどそれをぜんぜん鼻にかけないし、思いやりがあるし、とっても好感が持てます。
あと忘れてはいけないのがMatildaの先生のMiss Honey。
とっても優しくてかわいらしくてちょっとシャイそうで、実生活でものすごく苦労しているこの先生に挿絵の印象も相まって好感を抱かないではいられません。
そのMiss Honeyの苦労というのが、このお話のクライマックスへとつながっていきます。

挿絵担当のクエンティン・ブレイクさんはダールの児童書の絵をほとんど担当しているだけあってお話と絵のテイストがぴったり合っています。
このMatildaにもかわいい挿絵がいっぱい入ってます。
でも大きい挿絵ばかりではなく小さい挿絵が文の途中にちょこちょこ入っていることが多いので、それなりに文章も多く、絵を楽しみながらも英語をしっかり読んでいる感を味わうことができます。
初・洋書におすすめです!

Matilda (PMC) (Puffin Modern Classics) Matilda (PMC) (Puffin Modern Classics)
Roald Dahl Quentin Blake

Puffin 2004-09-23
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Holes by Louis Sachar

この本をまだ読んだことのない人がうらやましいです。
これから(初めて)読むことができるのですから…!

これはニューベリー賞、その他多くの賞を受賞した作品で、映画にもなりました。

左から読んでも右から読んでも同じ名前の少年Stanley Yelnatsは、無実なのにもかかわらず運悪く靴を盗んだ罪で更正施設行きになってしまいます。
Camp Green Lake(しかし湖などないカラカラの土地)で、同い年の少年たちとともに毎日毎日地面に穴を掘ることに…。

Stanleyの先祖の謎、この土地で昔起こった悲劇などあらゆる秘密が少しずつ明らかになっていきます。
それがパズルのようにつながっていく感覚がたまりません!
これからもずっと読みつがれていく本だと思います。

Holes Holes
Louis Sachar

Yearling 2000-05-09
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The Great Blue Yonder by Alex Shearer

(邦題 『青空のむこう』)

幼いハリーはある日お姉ちゃんとけんかをした後に事故で亡くなってしまいます。
幽霊になってthe Other Sideにやってきたハリーが自分の心に決着をつけて、次へ進むまでのお話です。

最後の方で泣いてしまいました。
自分は生まれ変わりとかは否定するわけでも本気で信じるわけでもないのですが、
この本で語られる生まれ変わりというもののとらえ方はすごくいいなと思いました。
後味もとてもよく、読み終わったときにはさわやかな気分になれました。

ハリーが読者に語りかけるような形で物語が進んでいくのですが、
小さい子どもの話す英語ってこんな風なんだろうな~って感じでかわいらしかったです。

The Great Blue Yonder The Great Blue Yonder
Alex Shearer

Macmillan Children's Books 2002-04-12
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