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Memoirs of a Geisha by Arthur Golden

芸者さゆりの人生を描いた世界的ベストセラーです。
アメリカのAmazonではレビュー数2000越えでしかも高評価なのを知り、これは日本人として読んでおくべきか…!と思い読み始めました。

誰もがはっとするほど美しいブルーグレイの瞳をした少女チヨ(さゆりの本名)。
その美しさに目をつけられ親元から引き離されて京都の置屋で生活することになります。
先輩にいじめられ苦しい毎日をおくるチヨはある時名前も知らない男性に恋をして…

いや~激流を下っていくかのような物語でした。
いつか海にたどり着くのはわかっていても次の瞬間流れがどう曲がるかわからない…という感じです。
このくらいの長さの物語だと、この場面退屈…早く話進めや…って部分があってもおかしくないですが
ポンポン展開が進んでまるで面白いドラマを見ているようでした。

芸者についていろいろ知れたのも面白かったです。
化粧の仕方とか、着物についてとか、様々なしきたりとか…。
日本人なのに知らなかったことがいろいろありました。
英語が学べて、日本のことも学べて、何より面白いお話が読める。
いい読書体験でした。

Memoirs of a Geisha (Vintage International) Memoirs of a Geisha (Vintage International)
Arthur Golden

Vintage 2005-11-22
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村上春樹ハイブ・リット by 村上春樹

左に英語の短編小説、右に村上春樹さんの訳が載っています。そして朗読CDもついている、何とも豪華な本です。
収録作品は三つ。
・レイニー河で by ティム・オブライエン(朗読はティム・オブライエン本人!)
・ささやかだけれど、役に立つこと by レイモンド・カーヴァー
・レーダーホーゼン by 村上春樹
三つ目は村上春樹さんの短編と、それをバーンバウムさんという方が英訳したものが載ってます。
ちなみに『レイニー河で』以外は、ナレーター(アメリカ人)による朗読です。

いや~勉強になりました。
洋書を読んでここはどう訳すのかなと思っても、なかなか邦訳本と突き合わせて確認するのは面倒くさいものですが、これはさっと横を見れば訳がそこにあるわけですから…しかもあの村上春樹の訳が!
単語の意味はわかってもいまいち何が起こってるのかよくわからない英文ってたまにあるので、対訳がついてるとすぐ解決できて助かります。
この本はページの下に単語や熟語の解説も載ってます。

私は『レイニー河で』が好きでした。
戦争に収集された青年が家を出て、カナダへ逃げ出そうかどうか迷うお話なんですが、混乱して追い詰められる主人公の心情がとてもリアルで…オブライエンの朗読も味があって、話の雰囲気に合ってて良かったです。

4757414927 村上春樹ハイブ・リット
村上春樹(編・訳) 柴田元幸(総合監修)
アルク 2008-11-28

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No One Belongs Here More Than You by Miranda July

映画監督であり、パフォーマンスアーティストであり、作家でもあるミランダ・ジュライさんの短編集です。
タイトルからしてちょっと不思議な感じがしますよね。面白い感性を持ってるな~という文章がいたるところにあります。
私は以前新潮社の雑誌『yom yom』で”This Person"と”The  Swim Team"の二つの短編の翻訳を読んでけっこう不思議な感じが気に入ったので、それらが収録されているこの本を買ってみました。

例えるならアルバムCDみたいな感じで、何度も繰り返し聞きたいシングル曲みたいな短編とそれに比べると印象が薄いかなっていう短編の二つにわかれるという印象でした。

わりと詩的です。私は一番最初の短編"The Shared Patio"の文章に心を掴まれまくりでした。
アマゾンでは途中まで立ち読みできるので興味があったら見てみてください。ジュライ節が堪能できると思います。

”The Sister"というお話はへんてこな恋愛にまつわる翻訳短編集『変愛小説集2』に収録されているようですが、選ばれるだけあってかなり変な話ですよ~。笑
ある男性が友達にこんど妹に会いなよ~と言われるのですがすれ違いまくりでなかなか会えないんです。男性はいい歳なのでその友達の妹もそれなりの年齢のはずなのになぜか若い女の子だと妄想し、会うのを楽しみにする…という話なんですが、ラストにビックリ。な、なにしてるんだ~!

あ、ジュライさんがこの本の宣伝?のために作ったらしいウェブサイトがあるんですが、面白いですよ。本のタイトルで検索すると上のほうに出てくると思います。なんかガス台に文字がかいてある写真のやつです。笑

あと著者自身が朗読してるオーディオブックも出てるようです。
それにしてもこの本の表紙はシンプルなのに可愛い…センスがいいですな。本棚を彩ってくれてます。

0743299418 No One Belongs Here More Than You: Stories
Miranda July
Scribner 2008-05-06

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Interpreter of Maladies by Jhumpa Lahiri

(邦題 『停電の夜に』)
著者はインド系アメリカ人2世で、この短編集にもインドからアメリカに移住してきた人たちが登場します。
こういった立場の人から見たお話を読むことがなかったので新鮮でした。

思い通りにいかない、どこかズレていく人の関係の描き方が見事です。
私が印象に残ったのはなんとなく他の話と毛色が違う”The Treatment Of Bibi Haldar”でした。
Bibiという女性は原因不明の持病を患っていて、突然ヒステリーを起こしてしまったりします。
お医者さんが結婚をすれば直るだろうと言いBibiもその気になるのですが、果たして結婚相手は見つかるのか…。

最後のあたりがすごくショッキングでした。
これは一応ハッピーエンド…なんだろうか?
さっぱりしているのに複雑なラストが心に残りました。
あと何気なく本の裏を見たら著者の写真が載っていましたが、とても美人でビックリしました。

Interpreter of Maladies Interpreter of Maladies
Jhumpa Lahiri Janet Silver

Mariner Books 1999-06-01
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Meet Me in the Moon Room by Ray Vukcevich

表紙からして不思議感が漂うこの本…中身はかなり奇想天外な短編集です。
岸本佐知子氏編訳の『変愛小説集』にこの著者の作品がふたつ収録されていて、その変っぷりに惹かれてこの短編集を購入してしまいました。

体がどんどん宇宙服になっていく病気(?)にかかった恋人たちの話とか、ひげのかわりにヘビを鼻の下にはりつけてかわいがる男の話とか…どこからその発想が!?と聞きたくなるほど面白くて変な話がいっぱいです。

個人的には”Pink Smoke”というタイトルの、ものすごくスリがうまい女の人とその恋人のお話が気に入りました。

『変愛小説集』はこの著者の作品のほかにもたくさん変なお話が載っていてすごく面白かったです。
今知ったのですが変愛小説集2も出ているんですね…読まねば!

Meet Me in the Moon Room: Stories Meet Me in the Moon Room: Stories
Ray Vukcevich

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