日出処の天子 感想 テレプシコーラが面白かったので山岸涼子さんの他の漫画も読みたいと思って探していたところ、この『日出処の天子』が山岸先生の作だったと知って速攻で読みました。 有名だからタイトルは知ってたんですが…。テレプシコーラを読んでなかったらこれを読むこともなかったかも??この漫画に出会えてほんとよかったです。 読むまで知らなかったのですがBLなんですね。 でも最近ありがちな、こんなシーン入れときゃ喜ぶだろう…みたいな媚び媚びBLではないところがいいです。 天才で策略家で超人的な力を持っていて美少年でいつも汗一つかかないような、浮世離れした王子が人を愛するがゆえに心乱されてゆくさまがキュンときてしまいます。 澄ました余裕顔の陰で孤独や辛い思い出を抱えているところも…。 毛人も真面目で好青年でちょっとヘタレで最初のころはけっこう好きだったんですけどねぇ~。 後半の毛人が嫌いなわけではないけど、王子をもっと見てあげて欲しかった…。 というか布都姫があんまり好きになれなかったですね私は。泣いてばっかの印象で。全部周りがおぜん立てしている感じ。 でもすごく好感持てるキャラと毛人がくっついていたらラストの印象もまた変わってきたのかなと思うとこれも効果のうちなのかとも思ったり。。 このラスト…もうほんと喪失感が襲ってきますね。 最後のあたり、何度も読んでしまいました。 孤独に終わるというのはレビューで知っていたのですが、こんな形でとは思いませんでした。 たった一人で夢殿にいるシーンで終わっていたらここまで哀しくならなかったでしょう…。 すごく穏やかな顔をして少女と仲睦まじくしているけど、その実すごく孤独なんだよなと思うと泣けてきます。 もう王子を慰めに行ってさしあげたいぐらいだけど毛人じゃないとダメなのですよね。。。 孤高の王子がプライドを捨てて愛を求めたのは後にも先にも毛人だけ…。 はぁ、泣ける…。 ネットで感想いろいろ見ていたら、しばらく他の本読む気にならなかったみたいな声があったんですがすごい気持ちわかります。 寂しいけど、この漫画を読んだ時みたいな気持ちにさせてくれる漫画にはこの先出会えないだろうな~と思います。 余談ですが読んでいたら聖徳太子つながりでギャグマンガ日和の太子が思い浮かんでしまいました。 同じ元ネタでこうも違うものか…。キャラ付けって凄い。 日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫) 山岸 凉子 白泉社 1994-03 by G-Tools PR